青 の 交 響 曲


吉野下千本の大橋より桜の木


9月末日から10月初めにかけて2泊3日で北海道に出掛けて以来、旅に出ていない。このごろの旅に出掛けるペースは月に泊り1回、日帰り1回だったので、ずいぶんと間隔が空いてしまった。その間、会社ではいろいろとあって、ますます労働強化されストレスはたまり放題。そろそろ疲れを癒さないと爆発しそうである。というわけで今回は電鉄会社の株主優待券を利用してお手頃かつ、なるべく豪華に近畿地方を旅することにした。

今回の旅の目的は主に2つ。ひとつめは近鉄吉野線の観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」に乗車し、中間車にあるラウンジスペースで久々に食堂車気分を味わうこと。ふたつめは関西空港最寄りのりんくうタウンにある「変なリゾート&スパ 関西空港」のオーシャンビューの部屋で心置きなくくつろいで、併設の温泉で日頃の疲れを癒すことである。そんなわけで2024年11月11日朝6時すぎ、浜松駅を鈍行列車で出発し久々の旅が始まった。


すっかり桜の葉が落ちて冬枯れの下千本


下千本「七曲り坂」ふもとの幣掛神社

豊橋から名鉄の快特に乗車し名古屋を目指す。朝の通勤時間帯はミューチケットが取りにくいが今回はしっかり確保していて、優雅な通勤客と一緒に移動した。名古屋駅の乗り換え改札を通って近鉄のホームへ。目指す列車は名阪乙特急。またの名をアーバンライナーという。例によってDXシートを予約したが、このシートは並みのJR特急グリーン車よりもシートに余裕があって快適である。大和八木までなら普通席の値段に420円プラスするだけなので、アコモーデーション第一主義の自分としては、ついついこの席を選んでしまう。

名古屋を発車してから1時間48分。近鉄の重要結節点である大和八木駅に到着した。ここからビデオを回し始めたが、橿原神宮前駅の吉野線ホームに至るまでを1本の動画としてアップ予定。というのも東京の秋葉原駅のように同じ会社の路線が直交している駅は割と珍しい。地平にある橿原線の上りホームから下りホームへの移動は、2階にある大阪線のホームを使って移動することになる。また橿原神宮前駅も橿原線が標準軌、南大阪線・吉野線が狭軌と軌間が異なり、両社の線路は吉野方でY字で繋がっているという。なんでも狭軌側の車両が大きな検査で大阪線沿線の工場に入るときには、そのY字部分で台車を履き替えるそうだ。そんな興味深い駅2つが奈良県の中央部にある。

さて橿原神宮前駅からいよいよ青のシンフォニーに乗車。こちらの列車のシートも1列+2列の余裕のあるふかふかシートだが、その感触もほとんど味わないまま隣の号車にあるラウンジスペースに移動した。そこで食堂車気分を味わうためにクラフトビールほかカレーや鶏の燻製などを注文した。その辺の動画は左の画像から見ることができる。

乗車から40分ほど先の終点吉野駅までにラウンジスペースをしがみ倒して列車を降りた。折り返しの上り青のシンフォニーに乗車予定だが、1時間ほどアイドリングタイムがあった。駅前でかなりの時間を使って考えたが、ロープウェイ山頂駅にほど近い下千本まで歩いて往復することにした。桜が咲く季節ならさぞや見事な風景が拝められる所だが、桜の葉っぱが散ってしまい、周囲の山々は紅葉にはまだ早いということで、なんだかパッとしない景色のために七曲り坂を登山してしまった。おかげで下千本の大橋に着いた頃には汗はだらだら、息はゼーゼーの状態だった。

下り坂の帰りも膝ががくがくで大変だったが、なんとか吉野駅12時34分発の大阪阿部野橋行き青のシンフォニーに間に合った。ここからは呑みテツタイム。とはいえ登山で体力を使い果たしていたため酒量は控えめだった。

終点の阿部野橋駅からJR天王寺駅に徒歩連絡し、新今宮まで関西線に一駅だけ乗車。この列車が国鉄型の201系。もしかしたらもう乗れるチャンスはないのかもしれない。

新今宮からは南海のラピートで、りんくうタウンまで30分。駅から徒歩10分ほどの変なリゾート&スパは関西空港に渡る鉄橋が間近に見える海辺に建っていて、特にオーシャンビューの露天風呂が最高だった。部屋でのシーンは後日Youtubeにアップ予定なのでお楽しみに。

オーシャンビューの部屋で一夜を過ごし、翌日は京阪の快速特急「洛楽」で京都に向かった。大阪の京橋を発車すると京都の七条までノンストップで走る快適な列車で、その間わずか34分。JRの新快速に迫る俊足列車だった。

その後、七条駅から京都駅まで徒歩連絡をして、最後のお楽しみは久々の名神ハイウェイバスの乗車。ネット早割予約で京都~名古屋間が1,570円と激安。日本で最初にできた高速道路らしいうねうねした道路を走るバスに揺られながら、まだ午前中なのに水割りに手を出すのだった。

近鉄吉野線の観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」 ラウンジで食堂車気分を味わう


関西線を走る201系はあと何年走るのだろう


大阪・京橋と京都・七条間を無停車の洛楽

<終>

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