Spring Tour '08 秋田・早春・モノトーン |
峠に近づくと雪が残っていた |
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浜松では桜が散り、早くも初夏の様相を帯びてきた2008年4月12日、ANA1837便に搭乗し秋田空港に降り立った。降りしきる雨という生憎の天候で、浜松に比べると確実に1ヶ月季節が逆戻りしていた。気温は3℃。かなり冷え込んでいる。レンタルした日産ティアナのイグニションキーをひねる。当然のようにエアコンは暖房になっていた。 旅の後で気づいたことだが、今回借りたティアナは4WD仕様で、期待していたV6エンジンではなく4気筒エンジンだった。そうとは知らない私は旅の間じゅう「なんか6気筒エンジンっぽくなくて、(自分が乗っている)コロナとそう変わらないな」と思い続けていた。ティアナを借りた理由は、次期マイカー候補として扱いやすいかどうか、いわば試乗の意味を込めていたので後日がっかりした。まぁそれでもインテリアは、メーカー側のウリの部分でもあり、上質で居心地が良かったが…。 秋田空港を出発し、まずは国道経由で秋田内陸縦貫鉄道沿線を目指す。雨のためクルマを降りる気にならず、1時間弱走った後、道の駅「協和」で小休止。これをきっかけに道の駅めぐりの様相を呈すのだった。 |
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雨の秋田空港よりモノトーンの旅が始まる |
道の駅めぐりのスタートは国道46号「協和」 |
角館で国道105号に入り、めっきり交通量が減った。秋田内陸縦貫鉄道の沿線に入ったものの、時おり駅の案内板が出るだけで、ちっとも線路が見えない。かつて国鉄角館線の終着駅だった松葉で、ようやく国道と線路が絡み合うようになってきた。 次の休憩場所である上桧木内の紙風船館を出ると、道端に雪が目立つようになってきた。季節はさらに1ヶ月逆戻りしたようだ。モノトーンの景色の中、峠道を進む。スノーシェードを何度もくぐり、豪雪地帯であることがうかがい知れた。峠を越えて道の駅「あに」で大休止。秋田内陸線のレールバスを撮影するべく、30〜40分の間、辛抱強く待った。 |
峠を道の駅「あに」はマタギの里にほど近い |
存亡の危機にある秋田内陸縦貫鉄道 |
道の駅「五城目」で最後の休憩 存亡の危機にある秋田内陸縦貫鉄道の気動車を無事カメラに収め、再びハンドルを握る。阿仁前田で線路と別れ、上小阿仁方面へショートカット。広域農道ということだったが、国道よりもずっと整備された道だった。予想どおり交通量は0に近く、道路行政の問題を痛感した。 |
秋田道は暫定1車線ながらガラガラ |
「居酒屋あみもと」でいぶりがっこを食す |
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つっちぃは大ジョッキをゴクゴク |
ライトアップが美しい赤れんが郷土館 |
歓楽街になぜか「かまくら」が… |
夜更けの秋田駅に寝台特急「日本海」入線 |
朝の福井駅で「日本海」を見送る |
今回秋田に来た最大の目的は、学生時代の友人つっちぃと久々に再会することだった。17時過ぎに、つっちぃと合流し、地元のだるま祭りを冷やかした後、居酒屋「あみもと」でジョッキを傾けた。つっちぃの飲みっぷりは気持ち良く、2時間そこそこの間にジョッキを4〜5杯空けたようだ。店を出て、腹ごなしに赤れんが郷土館などを見ながらぶらついた後、20時半ころ秋田駅で別れた。
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この旅のもうひとつの目的は419系電車の乗車 |
鈍行ながら特急並みの居心地の良さ |
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ボックスシートながらシートピッチに余裕がある |
特急に何度も抜かれながら敦賀に到着 |
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しめくくりは特急「しらさぎ」で名古屋へ |
秋田22時31分発の寝台特急「日本海」のB寝台に収まると、さっそく一人で飲み会の続きを開始した。タバコの吸える夜行列車で酔っ払うまで飲むというのが、ここ最近の最も幸福な旅のカタチである。昨年「きらきらうえつ」で訪れた吹浦あたりを通過したのをしおにベッドに潜り込む。目覚めると富山だった。 大学時代の頃、何度も列車で通り、お気に入りの車窓だった倶利伽羅峠を越えて石川県へ。そして幾度となく鈍行列車で降り立った大聖寺を過ぎて福井へ。20年前の思い出を辿りながら北陸線を西に下る。きわめつけは、学生時代に何度もお世話になり、ある意味最も居心地の良い鈍行列車だった419系の乗車。もと寝台特急電車583系をローカル仕様に改造した419系は、特急電車時代のシートをそのまま使っているためシートピッチに余裕がある。乗車した電車は昭和45年製造と、車齢は40年にならんとしているが、最新の転換クロスシートの快速電車より癒される。こんな電車を毎日通勤・通学の足として使っている人が羨ましい。 福井からの54`を、特急に抜かれながら1時間8分かけてゆっくりと走り、今や大阪への新快速電車が発車する敦賀に到着した。特急サンダーバードなら30分で駆け抜ける区間だが、かえってゆっくり楽しめた。名古屋へ向かう特急しらさぎの中でも、私はまだ余韻を楽しんでいた…。 |
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<おわり> |