雨の天草、霧の荒尾。


京阪淀駅と京都競馬場がつながった


2009年11月21日〜23日。世間は今年最後の三連休を満喫する人であふれていた。私も未訪の天草を訪ねるために西に向かった。まずは京都競馬場から…

♪ 京都競馬場
京都競馬場は浜松から行きやすいので、もう何度も来ている。いつもの通り京阪電車の淀駅で降りると、駅と競馬場が屋根付き歩道橋で直結していた。10分もたたないうちに6階のA指定席に到着した。今日は京都はもちろん東京、福島も全レース馬券を買おうと思い、競馬場に到着する前から、しこしこと単勝・複勝を100円ずつ買っていた。競馬場に到着した頃には1,000円ほどの貯金ができていたが、この先どうなるか。まずは5レースの新馬戦「メイクデビュー京都」から参戦開始。5頭ボックスの馬連が見事的中し幸先が良い。だが、調子が良かったのはここまで。いつもそうなのだが、午後になると馬券が当たらなくなり、的中しても取りガミばかりだった…
京都競馬収支表 (09.11.21開催)
レース 投資 回収 収支 累計
福島1R 200 570 +370 +370
東京1R 200 0 -200 +170
京都1R 200 0 -200 -30
福島2R 200 300 +100 +70
東京2R 200 0 -200 -130
京都2R 200 990 +790 +660
福島3R 200 720 +520 +1,180
東京3R 200 260 +60 +1,240
京都3R 200 0 -200 +1,040
福島4R 200 530 +330 +1,370
東京4R 200 150 -50 +1,320
京都4R 200 180 -20 +1,300
福島5R 200 0 -200 +1,100
東京5R 200 140 -60 +1,040
京都5R 1,200 1,810 +610 +1,650
福島6R 200 330 +130 +1,780
東京6R 200 190 -10 +1,770
京都6R 1,200 460 -740 +1,030
福島7R 200 140 -60 +970
東京7R 200 420 +220 +1,190
京都7R 1,700 0 -1,700 -510
福島8R 200 0 -200 -710
東京8R 200 150 -50 -760
京都8R 2,000 0 -2,000 -2,760
福島9R 200 0 -200 -2,960
東京9R 1,800 0 -1,800 -4,760
京都9R 2,200 2,120 -80 -4,840
福島10R 1,700 0 -1,700 -6,540
東京10R 2,300 3,400 +1,100 -5,440
京都10R 2,000 210 -1,790 -7,230
福島11R 3,000 8,810 +5,810 -1,420
東京11R 2,300 540 -1,760 -3,180
京都11R 3,700 170 -3,530 -6,710
福島12R 2,000 4,980 +2,980 -3,730
東京12R 1,200 1,890 +690 -3,040
京都12R 2,300 0 -2,300 -5,340
合計 34,800 29,460 -5,340 84.7%

負のスパイラルから抜け出したのは、秋の日差しが西に傾いた15時過ぎ。東京10レースで3連複3,260円を的中し連敗ストップ。福島11レース福島記念では馬連8,500円の高配当をゲットした。しかし肝心の京都のレースはさっぱりで、メインの11レースも見当違いだった。ここでとりあえず競馬場から撤収。大阪に向かう京阪電車の中で各場の最終レースの結果をチェックしたが、やっぱり京都だけハズレていた。

♪ 雨の天草
大阪南港から関西汽船で別府に移動。関西汽船の株式が上場廃止となり、同時に株主優待制度も無くなってしまったため、これが4割引の最後の乗船となった。最後なのでパーっと派手に特等船室を予約し、バストイレが付いた広々とした部屋でワンナイトクルーズを楽しんだ。

別府には朝7時前に到着。リムジンバスで大分空港に向かいスズキ・スイフトをレンタルした。別府にもレンタカー屋さんはたくさんあるけど、ANAのキャンペーンで格安で借りられるため、わざわざ大分空港で借り出したわけである。

空港を出た頃にはまだ日が差していたが、大分空港道→日出BP→大分道と西に向かうにつれて雲行きが怪しくなってきた。鳥栖JCTから九州道に入るとフロントガラスに雨が落ち始め、松橋ICで一般道に降りる頃には本降りとなった。


メイクデビュー京都。将来の名馬が誕生するか?


6階A指定席は貴重な喫煙席。直線が見渡せる


暮れなずむ大阪南港の「さんふらわああいぼり」


明石海峡大橋をくぐりぬけ瀬戸内の海路へ


別府観光港に早朝到着。この後大分空港へ


レンタルしたスイフトと筆者。由布岳PAにて


まずは天草四郎メモリアルホールで歴史の勉強


ザビエルなど天草・島原の乱の背景を展示


2階は幻想的な「瞑想空間」


天草四郎時貞の像。享年16歳

宇土半島を八代海を見ながら走る。スイフトには燃費計が装備されているので、ついつい気になってしまう。最近エコドライブの研修も受けたので、今回の旅の燃費は相当優秀だった。トータル605`走行したが32gしか消費せず、平均燃費は18.9km/lだった。そうこうしているうちに三角を抜けて天草五橋の1号橋「天門橋」を渡る。さぁ天草だ。

天草パールラインをしばらく走ると「天草四郎メモリアルホール」の看板が目に入った。旅の前に天草についての下調べをしていなかったので、ここで情報を仕入れることにする。600円の入場料には「ちょっと高いな」と感じたが、館内は島原・天草の乱に至る時代の背景が展示されており、それ以降の旅の参考になった。3D映像による15分ほどの島原・天草の乱のドラマを見せられ、その後2階に上がって幻想的な光がゆらめく「瞑想空間」でしばし佇んだ。館外は公園になっており、願いを込めながら「愛の鐘」を鳴らしてみた。失恋したばかりだが、また新たな出会いがあればいいなと思う。

再び雨中のドライブに戻る。天草松島付近の景観は晴れていれば感動もひとしおだったと思うが、生憎の天候で車窓から眺めるにとどめた。天草最大の町・本渡もそぼ降る雨に煙っており、天草城址にある殉教公園も足早に通過した。

次の目的地は天草・島原の乱の激戦地「富岡城」。2005年に石垣や櫓が復元された新しい観光スポットである。ビジターセンターの説明によると、島原・天草の乱で天草の一揆軍の猛攻に耐え、結果島原の原城に撤退させたため乱の沈静化を早め、その後の江戸幕府の安定化に一役買ったとなっている。天草四郎メモリアルホールとは正反対の視点から天草・島原の乱を総括しており、同じ天草でも立場の違いが鮮明で興味深かった。城址の敷地に建つ「日本の恩人」勝海舟と頼山陽、「天草の恩人」鈴木正三・鈴木重成(初代代官)兄弟の像を眺め、クルマに戻った。


天草四郎公園の「愛の鐘」に願いを込めて…


本渡殉教公園に建つ千人塚


殉教公園のキリシタン墓地


本渡城跡から雨に煙る市街地を望む


天草・島原の乱の激戦地「富岡城」


2005年に復元されたため真新しい櫓


富岡城跡に建つ富岡ビジターセンター


日本・天草それぞれの恩人像が建つ公園


丘の上に建つ大江天主堂


漁村の一角に建つ崎津天主堂


30uはあろうかというツインルーム


左は「日本の恩人」勝海舟と頼山陽


崎津天主堂と海の構図はいかにも天草らしい


黄昏の崎津天主堂。天草めぐりの最後を飾る


長洲町のホテル有明会館に宿泊

晩秋の黄昏時が近づき、先を急いだ。下島西岸をFMを聴きながら走ったが、送信所のある本渡とは正反対の場所ゆえ、せっかくのトーキングFMや安部礼司も途切れ途切れになってしまった。海辺のワインディングをドライブして、17時前後に大江天主堂と崎津天主堂を訪れた。いずれも昭和初期に建てられ、地元の信者が普通に立ち寄る教会である(ちなみに天草の人の3割はカトリック教徒)。特に崎津天主堂は対岸からの眺めがいかにも天草らしく、露光がギリギリだったが何度もシャッターを押した。時計を見れば17時30分を指そうとしている。天草めぐりはこれで打ち上げである。

♪ 霧の荒尾

熊本県・荒尾競馬場の入場門


小ぶりだが2階からも見やすいパドック

荒尾競馬収支表 (09.11.23開催)
レース 投資 回収 収支 累計
1R 1,200 400 -800 -800
2R 1,000 150 -850 -1,650
3R 1,100 1,520 +420 -1,230
4R 1,800 1,930 +130 -1,100
5R 1,200 210 -990 -2,090
6R 1,800 1,690 -110 -2,200
7R 1,800 0 -1,800 -4,000
8R 3,300 2,870 -430 -4,430
合計 13,200 8,770 -4,430 66.4%

荒尾競馬場から8`の場所にある長洲町のホテル有明会館で目覚めた。昨夜までの雨はあがっていたが、窓の外は霧で真っ白だった。昨日のハードドライブでかなり疲れていて、チェックアウト時刻の10時まで二度寝を決め込んだ。このホテルは外観はパッとしないが、部屋は30uくらいはあり、かなり広い。ソファーもあるので居心地は最高だった。で、朝食付き6,000円はかなりリーズナブル。機会があればまた来ようと思う。

荒尾競馬場の第1レース発送時刻は11時ちょうど。10時過ぎにホテルを出発しても余裕で間に合う。入場門で500円の特観席の入場券を求め、競馬場に入った。特観席には珍しく指定席ではなかったが、座布団無料貸し出しのサービスがあった。見劣りするプラスチックのベンチが設置されているため、せめてもの配慮とみた。総じて施設が老朽化していて、財政難の地方競馬の実情を思うが、スタンドからは有明海が見え、伸び伸びと競馬観戦ができる点は好印象だった。霧が晴れると、南には雲仙普賢岳がうっすらと見えた。


特観席は座布団貸し出しサービスがあった


有明海を望む伸びやかな競馬場


1300bのレースはスタンド前の発走


父母合わせてGT10勝の娘が走る


ゴール板を颯爽と駆け抜ける


有明海の向こうにうっすらと雲仙普賢岳


荒尾競馬場スタンドを背景に筆者


記念馬券が的中しカメラに収める

馬券購入は競馬新聞の予想頼りだった。第1レースから6レース連続で的中したが、人気馬が人気どおりに走る堅い決着が続き、取りガミばかり。当たっても借金を蓄積していくだけだった。そんな中、新聞を読んでいると驚くような馬が出馬するのに気付いた。第3レースの2枠2番で出走するテイエムユメノコ号の父はテイエムオペラオー、母はテイエムオーシャンということで、両親合わせてGTを10勝している超良血馬である。当然オーナーである竹園氏はJRAでデビューさせたが、3戦して5着が最高位。中央では走るレースがなくなって、ここ荒尾で再出発ということである。なのに人気は7頭立ての4番人気。というのもこのレースにはJRAから転厩してきた馬が5頭もいて、中央での実績がないテイエムユメノコ号はそれなりの評価しか得られなかったのである。私も「ハズレても話の種になる」と彼女の単勝100円だけ記念馬券として購入した。レースの方は、母譲りの先行力を生かして、第1コーナーで先頭に立ったテイエムユメノコがそのまま押し切りゴールイン。記念で買った馬券が、この日の馬券ごとの回収率トップになってしまった。当然そのまま持ち帰る訳にはいかず、急いで馬券を撮影した次第である。

ユメノコ馬券は的中したが、荒尾で8レース買って回収率は66.4%。帰りの飛行機の関係でメインレース前に競馬場を後にした。後ろ髪を引かれる思いだった。。。
<おしまい>

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