ラジオエアチェック方法についての一考察 ver. 0.04
Since; Thursday, March 23, 2000
by コサキンML管理人
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コサキンをはじめ、長時間ラジオ番組のエアチェック方法といえば少し前だったら120分カセットテープ、というのが定番でしたが、現在ではそれ以外にもいろいろな方法があります。ココではその方法それぞれについての簡単な比較と、いま話題?のMP3によるデジタル長時間録音の方法について説明しています。MP3録音方法へ
各メディア・録音方法の比較
録音方法・メディア | 汎用性 (メディアの入手のしやすさ・再生環境の普及度等) | 可搬性 (再生環境の持ち運びのしやすさ) | 経済性 (時間単位でのメディア価格) | 長時間録音 | 長期保存 | 省スペース |
カセットテープ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | △ | △ |
MD | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ |
ビデオテープ(VHS) | ◎ | × | ◎ | ◎ | △ | × |
ビデオテープ(8mm) | △ | × | ○ | ◎ | △ | ○ |
DAT | × | ○ | △ | ○ | ○ | △ |
MP3(CD-R等に保存) | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
注:評価はあくまで筆者独自の判断によるものです。
- カセットテープ
再生環境が世界中どこにでもあり、120分テープも安いものなら1本100円前後からだいたいどこでも入手可能なので、最も一般的で簡単な方法でしょう。難点があるとすれば、テープ反転時の空白時間です。(消極的な対策法?として、録音開始時間を数分早めて反転時を2時の時報に持ってくる、別のデッキで時間をずらして同時録音する、などの方法もあります) また、磁気テープゆえ、長期間の保存にはあまり適していません。(10年以上経過したテープだと“ワカメ”になるなどして確実に音質は悪くなります)
- MD
MDミニコンやMDウォークマンの普及によって一般的になりつつあるようです。が、MDメディアの録音時間は長くても80分で、120分録音するためには、一部のメーカーで採用されているモノラル録音機能を使うことになります。コサキンは(一部のネット局を除き)AMステレオで放送されているので、その雰囲気を一部損なう可能性がありますが、それでも良いと割り切れるのなら良いといえます。(筆者個人的にはMDは、CDを小型化して持ち歩くためのメディアだと思っています)また、どうしてもステレオで長時間録音するためには、一部のメーカーで採用されているチェンジャー機能や、ダブルMDデッキなどを利用する方法があるようです。
(追記) '00年8月現在、1枚のMDに最大320分まで(ステレオで)録音可能にする新規格MDLPを採用したMD機器が登場しています。
- ビデオテープ(VHS,8mm)
途切れなく長時間録音する方法として、ビデオデッキで音声のみを録音する方法があります。テープの価格もVHS120分テープで1本150円前後と安いのが魅力です。音質的にもメタルカセットテープに匹敵する(VHSハイファイ,3倍モードの場合)ので、AM程度のエアチェックなら全く問題ありません。問題点として、やはり再生環境が常に持ち歩ける状態にないということと、VHSテープはその大きさゆえかさばるので保存に向かない、などが挙げられます。8mmテープはコンパクトですが、これも同様再生環境を選べません。(余談ですが、東芝の8mmビデオデッキには一部機種で最大30時間PCM録音可能なモデルがかつて存在していました)
- DAT
デジタルで長時間録音可能なテープメディアとしてとりあえず挙げておきましたが、やはりあまり経済的とは思えません…。(なお、音楽用CD-Rは74分しか録音できませんのでここでは対象外としています)
- MP3
MP3とは「MPEG1オーディオ レイヤー3」の略で、録音メディアのことではなく、音声圧縮形式のことを指します。事実上パソコンにつながる記録メディアなら何でも良いのでメディアを選びませんが、一般的には1枚100円前後で入手可能なCD-R(650MB)が経済的で、長期保存にも適しています。デジタル録音した音声データは約1/10に圧縮されるため、AMラジオ程度の音質ならばCD-R1枚に数十時間を記録可能です。
再生用環境としてパソコン(PC)のほか、持ち歩き可能なMP3プレーヤーも各メーカーから続々と登場しています。
現時点では録音(エンコード)にPCが必要ですが、今後、単体でもMP3エンコーダー機能の付いたオーディオ機器が登場してくると思われます。(実際、国内ではアイワからMP3エンコード機能の付いたMPレコーダーが発売中) 現時点での難点は、録音・再生の随所に必ずPCを使わなければならない場面が出てくる、というところでしょうか。
(追記) MP3の他にも、音声圧縮形式は多種多様に存在しています。その中でもWMA(Windows Media Audio)はその圧縮率の高さや音質、Windows OSと同メーカー製作の規格ということもあり、広く普及する可能性があるようです。(一部メーカーのポータブルプレイヤーでも採用されています)
MP3によるエアチェック方法 〜リアルタイムエンコーディングのすすめ〜
通常、ラジオなどのアナログ音声をMP3にするためには、いったん長時間のWAVファイル(Windows環境の場合・数100メガ)を作って、それを手間暇かけてエンコード(圧縮・変換)する必要があります。
録音 エンコード
アナログ音源 → 長時間WAV →→→→ MP3
これはいくら高速CPUや大容量HDDな環境を持っていても面倒?ですよね。
筆者の環境などはいまだに数世代前のノート(しかもHDDの空きも少ない…)を使っているので、もっと大変です。
実のところ、筆者も最初の数本はそうやってシコシコと昔のテープをデジタル化していたのですが、最近はもっと楽勝にMP3をリアルタイムエンコード(それも、非力な環境でも簡単に)できる方法に移行できたので、その方法を紹介します。(ただしWin95以降限定ですが…)
上記2つのソフトを組み合わせることによって、
録音同時エンコード
アナログ音源 →→→→→→→→ MP3
という環境が比較的簡単に実現できます。(若干の設定は必要です。詳しい方法については…要望があれば考えます。(^^;)
…と思ったら、とても詳しく説明しているページがあるので、そちらにリンク。
→ isuさんの「ラジオ録音倶楽部」
→さらに活用したい方には、拙作ですが裏技のページもございます。
「ロック音」にはタイマー機能もあるので留守録派にも対応できます(そのかわり、PCは電源入れっぱなし)し、「午後…」はAMラジオ程度の音質だったら非力な環境でも十分にリアルタイムエンコードしてくれます。
試しに筆者の環境(無印Pentium133MHz,メモリ40MB)で放送をリアルタイム録音しながら同時にメールを読み書きしたりWebの更新をしたりチャットをしたりするくらいでは何ともありませんでした。が、たまにハングアップする(主にほかの原因で(^^;)こともありうるので、バックアップとして同時にテープ等でもエアチェックはした方が良いようです。
音質的にはAM放送ならサンプリング周波数22kHz、MP3の圧縮率はモノラルなら32kbpsくらいで必要十分だと思います。AMステレオなら56〜64kbpsくらいでしょう。上記条件でMP3にした場合のファイルサイズはモノラル2時間で28MB、ステレオなら48MBくらいになりました。CD-Rメディア1枚(650MB)に数ヶ月〜半年分くらいが入る計算になります。
[おまけ]
「ロック音」用の外見がちょっとだけマシになる?画像ファイルを以下に置いておきます。ご自由にお使い下さい。(LZH形式です。適当なソフトで展開して下さい)
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