埼玉県保守系市議団研修会
(平成17年7月2日)


平成17年7月2日さいたま市浦和区のさいたま共済会館で行われた研修会に市議会議員11名が参加しました。


小型バスをチャーターバスの中で
石森会長の挨拶
浦和の共済会館へ
到着しました

1階ロビー
ここから6階へ
6階の受付
一番乗りか
埼玉の教育を
いかに推進するか

講師の高橋史朗氏が
到着された
内容のある講演でした

感想等

講師の高橋史朗氏は明星大学教授で上田知事が埼玉県教育委員に指名し、就任された方です。写真のように一見すると「濃い(羽生弁のニュアンス)」印象を受けますが、理論的で話も上手であり、教育問題に関して高い熱意と見識をもたれています。

高橋氏は、若い頃、3年間アメリカに留学され、その間にGHQの文書240万頁(!)を研究、筆写(ダンボール箱10箱)という実績を上げられ、さらに臨教審第一部会の専門委員、国際学校研究委員会(旧文部省)委員、松下政経塾講師・入塾審査員など歴任され、自分も所属しておりました青年会議所とも関係の深い方であります。

◇   ◇   ◇

以下、高橋氏の講演のうち自分なりに感銘を受けたり印象に残った点などを書きなぐりますが、多少正確を欠くところがあると思われますが、ご容赦ください。講演はかなり長い時間に渡りましたので、ほんとに一部分を抜粋した形になります。興味をもたれた方は是非、直接高橋氏の講演をお聞きすることをお勧めします。

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今日の教育危機をどう捉えるか。今、現在、歴史的転換期(文明的・地球的規模)にあたっている。これは@外なる自然破壊→自然の生態系の破壊進行、A内なる自然破壊→人間性の解体化(少年の凶悪事件、児童虐待の増加)など、「子供の変化」が顕著となってきている。昔の子供に比べ最近の子供には、「他者の喪失(他者への愛着と信頼感の欠落)」「現実の喪失(現実感覚の形成不全)」「社会力(人とつながって社会を創っていく力)の衰弱」といった側面が見られる。


教育危機の根幹は歪んだ生育環境(子育て)にある。動物は産まれるとすぐに立ち走ることができる。人間はどうか。人間はその脳が80%成長するまで0〜3歳の期間が必要である。人間は完全な形で産まれない。完全の形では脳が大きすぎて産道を通ることができないから。脳が100%に成長するのは小学4年生位。つまり、この時点でその人の一生を左右する「脳」が形成されるということ。これは大変な問題である。
0〜3歳の間の子育てが非常に重要であり、この間に、親の十分な愛情を得られないと正常な脳の発達が阻害される。


親心が崩壊している。親は、赤ちゃんと接することで脳内に幸福感を発生する物質がつくられる。これがないと親になりきれない。仕事などで赤ちゃんと接する時間がない親は、親心が育たない。世界統計で、「あなたは、子供のために自分を犠牲にできますか?」の問いに、「できる」と回答した親は20%。これは、世界の各国の中で下から2番目の回答である。これが今の日本である。
親の愛情を受けずに発達が阻害された脳となった子は、反社会的行動をとるようになり、さらに親になると児童虐待に走る「トラウマの連鎖」。今や、子供の発達段階に応じてどのように子に係るかを明示する「親学」が必要となってきている。

では、発達を阻害された脳をもつ子供とはどうなっているのか。最新の脳生理学で実証されてきているが、女子高生コンクリ詰め殺人を始め、考えられないような凶悪犯罪を犯した子供達の脳をCTスキャンなどで調査すると前頭葉の一部が発達していないのである。すかすかに空いているのである。


@「セレトニン欠乏脳」・・・痛みへの忍耐力(我慢強さ)の欠如、不眠症、無責任、自立神経の乱れ、ゲーム以外の集中力の低下がみられる。
A「ゲーム脳」・・・笑わない、しゃべらない、ボーっとしているが突然切れる。
B「小児型慢性疲労症候群」・・・自立神経の機能低下、ホルモンバランスの異常、睡眠障害。5歳の女の子と話をした時の会話「私、もう5年も生きてるの、疲れちゃった。」
C「食生活と精神状態の関係」・・・食生活の乱れによる発達障害、栄養の偏り、間食とやわらかい食品の増加


教育の現場はどうなっているのか。優秀な新任教師が自殺した。優秀な教師ほど悩む。
子供がついてこない、問題行動、学級崩壊。子供の扱い方が分からない。以前のやり方が通用しない。問題児に問題親。
やる気のない教師の理屈「○○君がこうなったのは社会の犠牲者である。強制することはやめて、彼がやりたいことを自由に選んでもらってやってもらう。」とんでもない話。ただ楽がしたくて逃げている現場の教師。こんな無責任が子供をだめにする。広島県の最悪の公立校を立て直した女性校長の話。テレビタックルに出演したが、話したことのほとんど編集でカットされた。子供には強制が必要である。


大量採用期の教員が退職する時期にきている。志の高いやる気のある教師を育て、埼玉に引っ張ってこなければだめ。採用基準などもペーパーで優秀なものを採用するのではなく、教える能力の高い教師を採用しなければならない。優秀な教師の育成に「授業の名人」「生徒指導の達人」生かす。


不毛なイデオロギー対立を超える「育」の視点。人権平和教育・男女共同参画とジェンダーフリー。男らしく、女らしくがなぜいけないのか。
教師と親の意識改革がまず必要。意識改革の鍵を握るのは「脳科学」と「親学」。最新の脳科学の内容を親にいかに伝えるかが大事である。


子供のPQ(IQではなく、人間的知能のことを指す)を伸ばす
8つのポイント

1 夢・目標をもたせる
2 多様な人間関係を体験させる
3 自分で選んだ体験をさせる
4 原体験
5 音読
6 暗算
7 乳幼児の世話
8 野外キャンプ

◇   ◇   ◇

講演は時間を大分オーバーしました。メモ書きをそのまま上げたようになってしまいました。まとめ方が悪くてすいません。ですが、なんとなく空気は伝わったかなとも思います。
質疑応答もありましたが、とにかく非常に実践的な研修だったですね。

是非、羽生市でも高橋氏を講師お迎えし大ホールをPTAのみなさんや教職員のみなさんで満員にしていただき講演会研修行っていただきたいと思います。


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