獅子の会行政視察(金子農機株式会社)
(平成17年5月23日)


平成17年5月23日、獅子の会河田議員、小野議員そして
私永沼、それから同期生の中島議員計4名で、
平成17年5月11日の日本経済新聞「31埼玉・首都圏経済」コラム「埼玉のちから」
で大きく取り上げられた金子農機様を視察しました。

以下概要は次のとおりです。


マークの画像はクリックすると拡大します。
小松台工業団地の
金子農機且ミ屋
製造部門が低層階にあり
管理部門が高層階です
午前10時に待合わせ

事務室まで上る間
製品のパネルがある
これは今までの製品の
歴史がラインナップ
これは現行モデルの
模型と小さな幟

先代と先々代社長の
お写真がある
たくさんの賞に
輝いている
日当たりのいい
会議室です

まずは名刺交換企業コンセプトや
製品コンセプト
新しい経営の柱など
真剣にお話を伺う

5/11の日経の記事
視察のキッカケ私が持参
新しい経営の柱
ペレットプラント資料
これはペレットを使う
新製品のストーブ

明るくて広い事務室
元気な挨拶が返る
ひとつ下のフロア
パーツの製造ライン
割と小さ目の部品を
作っている

この部品が
心臓部だそうな
1階に降りる写真撮影の許可は
頂いています

大きな工場に
目を見張る
奥まったところに
製品が展示されている
ストーブは
実際に燃焼している

かなりガッチリした
作りのようです
これが燃料のペレット
DOGFOODみたい
かなりカロリーが高い

暖炉のような炎
気持ちが癒される
他の製品も
丁寧な説明を
いただきました

これは特許である
遠赤外線発生装置
従業員のみなさま
作業中です
これは部品の
塗装ラインです

最後に記念写真
視察後に昼食をとる
お昼はそば定食
大盛り+天丼950円

感想等

金子農機は、創業92年になる老舗農機具メーカーです。米と麦の乾燥機がメインで売上の90%以上がこの製品。全国で20〜25%のシェアを誇ります。

昨年12月には、金子農機の「遠赤外線穀物乾燥機」が、革新的な技術・製品開発に与えられる「彩の国産業技術大賞」の奨励賞に選ばれました。遠赤外線による乾燥は、実は表面温度を下げながら乾燥させられるため、「米の食味」を損なわない、自然乾燥に準じる優れた技術なのです。

メイン製品の乾燥機の売上ですが、最盛期には年間8万台もの出荷があったのですが、米麦の個人生産者の減少・高齢化により減少しています。そこで、新しい経営の柱として、ペレットボイラーなど環境分野を第二の柱に育てようとしています。

◇   ◇   ◇

ペレット、ペレットボイラーとはなんでしょう。以下日経の記事を引用します。

埼玉県吉見町が保有する宿泊施設「フレンドシップハイツよしみ」に四月、温浴施設「御所の湯」がオープンした。流木や端材などが原料の木質ペレットを燃料とするペレットボイラーを給湯に使う。納入したのは農業用機械製造の金子農機(埼玉県羽生市)。同社にとって第一号案件となり、ペレットボイラー事業に参入した。【日経記事抜粋】

間伐材や流木、もみがらなど農作業によって発生する植物系の「産業廃棄物」。これらを粉砕し、乾燥させ(ここで持前の技術が生きる)、直径6ミリ、長さ2センチ程度の「ペレット」に固めます。
ペレットは、カロリーが高いうえ、化石燃料ではないので、京都議定書で定めたCO2の発生量抑制にもかなう、産業廃棄物の発生量も削減できるという環境に優しい、新しい「燃料」なのです。
このペレットの製造プラント、製造したペレットを燃焼させるボイラー、発電機、ストーブなどを考案し、収益源に育てようとしているという訳です。

コスト的には、まだ灯油など石油製品に比べ若干高いのですが(これがネックになって一気に普及とならない)、環境問題を踏まえ、埼玉県ではペレットの普及に補助金も出しているところなので、徐々には普及してゆくことと考えられますが、行政の課題として、長い目でこれらの産業・技術を育てることが必要なのでしょう。

地元の自治体として、せめて他の自治体より、こうした新しい産業の取組みに積極的に支援するべきであると感じました。(羽生に本社を構え、税金も納めていただいてる企業です。)
自分の尊敬する江戸時代の政治家上杉鷹山は、その政治哲学(伝国の辞)で有名ですが、決して質素倹約だけの政治家ではなかった。新しい産業を興し、民を富ませることをなにより積極的に行ったのであります。

それこそ、市民プラザのボイラーなんか、これに替えちゃえばいいのにって思いました。冷暖房の電気代がすごいんですもの。単年度会計だから旧い効率の悪い設備もメンテと修繕で延命させるが、中長期的な視点に欠けるんです、市役所の体質の悪いところですね。 地元の企業が画期的な新分野に開拓者として踏み出してゆく、頼もしいし、多くの利益を上げていただき、財政逼迫の羽生市に大いに納税していただきたい(笑)と思います。

◇   ◇   ◇

金子農機さんは、中国の無錫に工場を立上げ、現地での製造・販売に力を入れています。(ちょうど社長さんは中国へ出張中でした。)
中国でのビジネスについて、面白い話を伺ったのでここに書きます。

オーバースペックだろうが、とにかく最新鋭の機械を欲しがる。
(コンピューター制御の最新型より、型は旧くとも横置き式で汎用性が高い方が現場に合いそうであっても、それは導入されないのだそうです。)

機械は使い倒す。驚くようなクレームが付く。
(日本では、収穫の一時期しか稼動しないが、中国では、24時間、年200日も機械を動かすのだそうです。耐久試験並みとのこと。パーツの消耗が激しく、中国仕様に替えなければならないとのこと。)

あと、反日デモの件聞いたのですが、中国は二度と昔に戻れないであろうとのこと。ただ実際に上海のデモに出くわした社員さんの話では「正直怖かった」とのことでした。そんな話とかいろいろ伺いました。

◇   ◇   ◇

お忙しいところ大変丁寧なご説明をいただきました。金子専務様、吉岡室長様にはこの場をお借りしまして御礼申し上げます。誠にありがとうございました。



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