埼玉県立行田養護学校視察
(平成16年11月19日)


平成16年11月19日、獅子の会小野議員、そして私永沼、同期当選の中島議員の3名で「埼玉県立行田養護学校」へ視察にいってきました。
「ノーマライゼーションの理念に基づく教育を推進する取り組み」の内容を現場で確認するためです。以下は、その概要です。


当日は雨が降っていた行田養護学校の校舎小野議員と中島議員
勉強熱心です

まずは名刺の交換林祐二教頭先生に1時間以上熱心な
説明をいただきました

その後、校内を見学ここは体育館です改修により温かみのある
木を使った内装

清掃も行き届いているここは食堂です
とても明るい
正面玄関を中から
撮ったところ

作業所を覗く
これは製品
陶芸作業室です丁寧な仕事が
分かります

こちらは木工作業室
こうして出来た
製品は学校祭などで
販売され大変な人気
なのだそうです

PCルームもあり
学習に使われている

感想等

「ノーマライゼーションの理念に基づく教育を推進する取組み」
−障害のある子もない子も21世紀をやさしく・たくましく生きぬく「生きる力」を育むために−

埼玉県は平成16年度埼玉県教育行政重点施策にノーマライゼーションの理念に基づく教育の推進を位置付け取組むこととしている。
「埼玉県立行田養護学校」は、この新しい施策のモデル校となったおり、積極的に取組んでいるため、視察先としました。

いただいた資料と説明でこの新しい教育施策をかいつまんで紹介すると、
この施策の目的は、様々な障害をもった子供たちが社会で自立できる自信と力を育むため、

  1. 個別の教育支援計画に基づき
  2. 支援籍制を導入する
ということが骨子のようである。

障害のある子供たちと普通の子供たちが交流することで、「心のバリアフリー」を実現していこうというものであるが、具体的には養護学校の生徒が普通校へ出向き(普通校の特殊学級の子供たちが養護学校へ出向くことも考えられる)、学習する。これを支援籍学習というが、こうした新しい学習方法を実際にどのように行うのか、まだまだ試行錯誤の状態のようである。

◇   ◇   ◇

現在、行田養護学校では5台のスクールバスを運行し、羽生市、行田市、熊谷市、妻沼町、南河原村を学区とした地域から161人の生徒が通ってきている。
子供さんによっては、バスで1時間もかかることがある。そうしたなかで、例えば、熊谷市内の学校と支援籍の学習を行ったとすると、このスクールバスは使えないので、物理的に誰がどのような方法で子供たちを「運ぶ」のか、その方法が確立されていない。ボランティア団体の支援やそのためのスクールバスの増便などがなければ、事実上難しい。

更に人的な支援で重要な「コーディネーター」と呼ばれる専門家の育成が必要不可欠なのであるが、職員の定数増には予算の増額が必要だが、市町村財政は非常に厳しく、こうした新しい施策に潤沢な予算が投入されない。必然、現在の人員でやりくりすることになるのだが、職員の研修は必須であり、通常の業務以外にスキルアップのための研修受講など、現場に対する負担は、重いものとなっている。

◇   ◇   ◇

行田養護学校は、小学部から高等部(小学校から高等学校)までの生徒が在籍している。
高等部を卒業した子供たちの前には「就職」という壁がある。景気が上向きだったときはまだしも、平成15年度では、就職1人、作業所・通所施設12人、共愛学園1人という状態である。

学校としては、一軒一軒、会社訪問を繰り返し努力しているということであるが、なかなか現実は厳しいようである。

◇   ◇   ◇

この新しい制度は平成18年度から正式に実施されるのであるが、現在は、まだ実験段階だとしても、人員の増員や専門家の派遣、交通費や移動手段確保のための予算など「実際的な」支援が乏しいのではないか。せっかくのノーマライゼーションの理念も予算の裏付けがないと円滑に進行しない。
羽生市内の小中高校は、まだ対象となっていないが、今のうちから備えていなければ、現場の混乱、増えた負担の押付け合いなど、情けない状態になりかねない。小野議員が一般質問しましたが、羽生市には、是非とも平成17年度の予算にこれらを織り込んでいただきたいと思います。

お忙しいところ、丁寧に対応していただきました林教頭には、ありがとうございました。この場をお借りしまして御礼申し上げます。

◇   ◇   ◇

生徒さんの画像についてはいろいろ考え撮影しませんでした。元気な声で挨拶してくれる生徒さんもいましたし、本来は、生き生きと学習する姿をアピールするべきなのでしょうが、校内の掲示物を含め、今回は掲載しませんでした。


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