獅子の会会派視察研修
「羽生領島中領用排水路土地改良区」
(平成16年10月21日)


会派研修として「羽生領島中領用排水路土地改良区」事務所へ
河田議員、小野議員、中島議員そして私、永沼の4名でいってきました。
台風23号が通過した直後で、大変お忙しい中をご説明、ご案内いただきありがとうございました。
以下はその概要です。


夕べの台風で
水量は多い
警察署の前の道
突当りが事務所
「水」のマークが
事務所の壁面にある

9時30分に待合せ2階の会議室で
説明を受ける
理事長の野中氏と
所長の山本氏

野中氏は元国会議員
ご挨拶をいただく
2時間にわたって
熱心な説明
最後に記念撮影
※クリックで拡大します

その後車で
市内の用排水路を視察
ここは大利根
目玉事業を視察
一見なんの
変哲も無い用水路だが

魚や水棲生物用に
工夫されている
左に接続している
普通の用水路
ここは市民釣り場に
なっている用水路

感想等

台風上陸数の新記録となった翌日、治水利水の最前線である「羽生領島中領用排水路土地改良区」にお邪魔しました。本当に間が悪いというか、職員の皆様は早朝より用排水路の状態の確認などに忙殺されているところで、一同恐縮しながらの視察となりました。

管理区域は、利根川の中流域右岸、埼玉県北東部の3市2町(羽生、加須、幸手(一部)、大利根町、栗橋町)と広大であり、該当区域の用排水路の維持管理を行っています。

野中理事長には、江戸初期からの、この辺りの水利事業の歴史から熱心に語っていただきました。江戸開府(慶長9年:1604年)から連綿と続いている背景など。(大久保忠隣(羽生城主)やら伊奈忠次など当時から利根川の治水・利水に努力していた。)なお、伊奈忠次が羽生領用水を開設した慶長9年からちょうど400年ということで、記念碑の建立を計画しているとのことです。

◇   ◇   ◇

「羽生領島中領用排水路土地改良区」の組合員数は、10,071人。受益面積は6,000ha以上。仕事の6割以上が「排水路」の維持管理だそうです。

羽生市を含め、この地域は自然と水がたまりやすい「お盆」のような地形なのだそうで、用水より「排水路」の重要性が高い。
以前は農業用水と排水路、特に排水路の受益者負担は農家以外にも請求していたのだが、法律が変わり農家のみに負担が集中している。農業以外の生活排水は市街地で80%以上の割合になっているが、これらの契約及び負担金の徴収に苦労しているとのこと。

組合の予算規模は、収入ベースが年5億3,865万円、支出が4億3,402万円。
収入に占める組合費の割合は、43.27%である。
今年の米価は、1俵1万円以下、などといわれている(羽生産米)なかで、組合費の負担も当然ながら一層の重荷となってきている。
羽生領地区(10a当り) 田 4,300円 畑2,150円であるが、更に地区によっては、別の組合にも2重で支払っている現実もあるのだという。

◇   ◇   ◇

「羽生領島中領用排水路土地改良区」って何やってるところなんですか?と若い人に言われてショックを受けた、と理事長が語っていたが、自分が思うに、PRの仕方云々ということより、もっと根本的な問題だと思う。
写真の用排水路を見て自分らの子供のころと何が違うかといえば「フェンス」の在る無しである。
学校の行き帰り、台風で増水する用水を見たり、魚を釣ったり、「フェンス」のない、コンクリで固めてなかった用水は、身近なものでした。
親水性を高める方向で事業は進んでいるようですが、万一の事故の際、管理責任を問われることから安全性の確保と親水性の確保は、二律背反の問題ではあります。
冬季における通水の実施や大利根町に導入している親水性を確保した用水工事など限られた資源資金のなかで前向きに取組んでいる姿勢は評価できると思います。

◇   ◇   ◇

終わりに、国土地理院だかに依頼して作成した地球温暖化で海水面が5m、10m上昇した場合の関東平野の地図をお土産にもらったのでここに上げておきます。治山治水は、ほんとうに大切なものなのですね。
野中理事長、山本所長、関口管理課長には、大変お世話になりました。ありがとうございました。

海水面が5m上昇した
関東平野
海水面が10m上昇した
関東平野


活動報告へ戻る

TOPページへ戻る