16両こだまと山口県支線乗りつぶし   2006年3月19日(日)


−あらすじ−

 2006年春のダイヤ改正が3月18日に行われた。寝台特急「出雲」や急行「かすが」が廃止になるなど夜行や急行の斜陽化が進む中、新幹線は昨年12月の改正での東日本の路線に続き、東海道山陽新幹線でも「のぞみ」が増便されるなど新幹線はどんどん便利になっていく。
 そんな「のぞみ」増便の影に隠れて、山陽新幹線「こだま」でもちょっとした動きがあった。

 山陽新幹線の「こだま」といえば、6両や4両に短編成化された0系や100系の最後の活躍の場となっているが、今回の改正によって朝晩の博多〜小倉間を走る「こだま」号で700系車両16両で運転されるものが登場した。東京地区では「こだま」でも16両が当たり前だが、遠く千キロ離れた博多では思っても見ない出来事。車両の運用の都合でそうなってしまったのか、はたまた本当に需要があるのかわからないがこういうレアものには目がないぼくとしては早速乗りに行かない手はないと、ダイヤ改正の翌19日に乗り試しに行ってきたのだった。
(山陽新幹線単独の700系「こだま」にはこのほか、新大阪→岡山のこだま641号もある。指定席やグリーン車もあり、こちらも貴重な存在となっている)

 その後、北九州まで行ったついでに筑豊本線を完乗したほか、山口県へも足を延ばし、1日6本しか運転されない仙崎支線(山陰本線)や同5本の長門本山支線(小野田線)も攻略してきた。


1.博多7:26発→小倉7:43着 こだま752号 小倉行き(橙色が乗車車両、以下同じ)
←小倉
724
−3007
727
−3507
726
−3207
725
−3507
725
−3607
726
−3707
717
−3007
719
−3007
718
−3007
727
−3407
726
−3007
725
−3307
725
−3007
725
−3507
727
−3007
723
−3007
 幹ハカ

 地元のバス停からバスに乗って博多駅へと向かい、みどりの窓口で「新幹線小倉よかよかきっぷ」を購入。
これは土、日、祝日限定で博多〜小倉を山陽新幹線を利用して往復できるという企画きっぷで価格は3000円。700系のこだまに乗りたいだけなので片道の切符でもよいのだが、わずかの追加で帰りも新幹線を利用できると言うことで、このきっぷを利用することにした。

 さて。問題の700系車両で運転されるこだま号は、小倉から「こだま751号」としてやってくる。入線にはまだまだ早いがホームにあがって待つことにした。6時53分、小倉方から700系のこだま号がゆっくりと進入してきた。こだま751号は博多に到着する朝一番の新幹線だが、今日は日曜日ということもあって降りてくる人もまばら。もちろん、これ(こだま752号)に乗ろうと待っている客などは皆無だった。
 入線時刻の6時53分から、こだま752号として発車する7時26分までの間に7時ちょうど発車の「こだま750号」、7時17分「のぞみ6号」、7時20分「こだま720号」があり、たとえ小倉までの利用であってもそちらに乗ってしまうだろう。700系で運転されるとは時刻表に書いてあっても、一般の人にはあんまり関係ないのかもしれない。

    

 ちなみに、上で挙げた「こだま750号」、「こだま720号」、「のぞみ6号」、そしてこれから乗車する「こだま752号」のうち、最も小倉までの所要時間が少ないのはこの「こだま752号」(17分)。これは「のぞみ6号」(18分)よりも速い。時刻表では秒の切り捨てが行われるのでこうなってしまうのだろうが、「こだま」なのに日本最速の新幹線「のぞみ」よりも速いというのはなんだか気分がいい。

 だが、いくら速くても乗る人がいなければ話にならない。ざっとホームを見渡しても乗車したのは3人程度。乗車率は1%にも満たないだろう。日曜日とはいえ、これはあんまりだ。平日ならもっと利用もあるのかもしれないが、休日運休になってしまわないか不安だ。ただ、鉄なぼくにとってはどちらかと言えば人が少ない方が都合が良く、おかげでいろんなところを見たり、写真を撮ったりすることができた。

 ところで、グリーン車には乗車できませんと書いてあったが、どうなっているかというと、ドアはあいており車掌が「8,9,10号車にはお座りにならないように願います」と案内していた。

 そして定刻7時26分、わずかな乗客をのせた16両編成の「こだま」が静かに発車した。走り出せばさすが700系。抜群の乗り心地だった。

    


2.小倉8:02発→折尾8:19着 快速3383M 羽犬塚行き
←折尾
クハ 812
−1001
モハ 813
−1001
クハ 813
−1001
クモハ813
−204
サハ 813
−204
クハ 813
−204
クモハ813
−227
サハ 813
−227
クハ 813
−227
 北ミフ

 小倉からは18きっぷ(4回目)を利用することにした。入鋏のハンコを押してもらいホームに入ると、見慣れた813系の9両編成だった。が、よく見ると一番前の編成が去年導入されたばかりの1000番台だった。VVVFインバータが817系1000番台のものと同じだということのほか、車内のつり革の配置もそれと同じような円形の配置になっていた。車内はどこに座っても良さそうなほどの乗車率。折角なので1000番台で登場した「クハ812形」に乗ってみた。

    


3.折尾8:48発→若松9:06着 普通6432D 若松行き
←若松
キハ  47
122
キハ  47
1052
 北チク

 折尾で下車し、お昼ご飯用に名物の「かしわめし」と昨日発売になったばかりのチョロQ「885系ソニック」を購入。未乗のまま残っていた筑豊本線(若松線)へと乗り換えた。若松線は折尾の次に本城という近代的で新しい駅が出来ていた。一方、終着の若松駅は櫛形のホームや、下車印が懐かしいスプーン型をしていたりと、予想以上に終端駅の雰囲気が漂っていた。

    


−.若松渡船場9:18発→戸畑渡船場9:21着 北九州市営渡船「くき丸」 戸畑行き

 JR若松駅から850メートルほど離れたところにある渡船場から、対岸の戸畑へと北九州市営渡船が出ている。運賃は100円。JRだと再び小倉へ戻るには一度折尾まで戻ったあと鹿児島本線に乗り換えることになるのだが、渡船を使えば一気に戸畑までショートカットできる。すぐ真上は若戸大橋というロケーションがいい。
 若戸大橋の写真を撮りながら渡船場へと歩いていくとちょうど出航の時間だった。自転車も持ち込むことができるようで、学生が数人、自転車を片手に乗船していた。

 船は若戸大橋の真下をくぐり、橋脚を回り込むようにして対岸の戸畑へと渡る。所用時間は3分。若戸大橋は現在は自動車専用橋のため、渡船は地元の人にとっては貴重な足となっているようだ。

 戸畑の渡船場からJR戸畑駅までは400メートルほど。渡船場から延びる道を5分ほど歩くと、JR戸畑駅にたどり着いた。

    


4.戸畑9:34発→門司9:53着 普通2390M 門司港行き
←門司
クハ 813
−109
サハ 813
−109
クモハ813
−109
クハ 813
−219
サハ 813
−219
クモハ813
−219
クハ 813
−3
サハ 813
−3
クモハ813
−3
 北ミフ

 戸畑から、再びJRに乗車し小倉へと向かう。やってきたのはやはり813系の9両編成。渡船に乗らずにJRで戻っていたら次の9時48分の小倉行きにしか間に合わないので、ちょっとばかり時間をトクした気分。もっとも門司か小倉での待ち時間が増えるだけで、次の(48分の)快速に乗っても今後の予定には影響はないのだけど。

 結局やってきた9時34分の2390Mで門司まで向かい、門司で待つことにする。

    


5.門司10:10発→下関10:17着 普通5530M 下関行き
←下関
クハ 411
−331
モハ 415
−16
モハ 414
−16
クハ 411
−332
 北ミフ

 門司で本州下関行きへと乗り換える。戸畑から乗った2390Mが門司に着いたのは9時53分。下関行きは9時52分に発車したばかりなので、だいぶ待つことになった。たった、1分くらいこの電車まで待ってくれてもいいのに…と思うのだけど、そんなことを言い出したら、これも、こっちも…となってしまい埒があかないのだろう。ガラス張りの待合室でおとなしく待つことしばし、アイボリーに青帯の交直流電車415系がやってきた。

    


6.下関10:24発→小串11:05着 普通862D 小串行き
←小串
キハ  47
152
キハ  47
1070
 広クチ

 下関では8番線に広島カラーのキハ47系が2両編成で待っていた。すでに乗車している人も多く、日本海側となる進行方向左手のボックスは全て埋まっていた。仕方なく右側のボックスへと腰を下ろし、どうせ景色を楽しめないのなら…と折尾で買ったかしわめしの包みを紐解く。折尾のかしわめしはかしわうどんと並んで有名なのだけど、食べるのは初めて。かしわのそぼろとタマゴ焼きを細切りにしたものと海苔がかしわ飯の上に並べてあって見た目も華やかでおいしい。
 食べ終わると、福江駅を過ぎたところで反対側の窓越しに日本海が見えてきた。こちらの窓側には山しかなく、やはり山より海の方が見た目が気持ちがいい。

    


7.小串11:07発→長門市12:15着 普通964D 長門市行き
←長門市
キハ  40
2077
 広クチ

 小串では対面乗り換えで、長門市行きに乗り換える。すでに小串で乗車している人も多く、乗り換え組も2両だったのが1両になるため、車内はかなり混み合ってきた。それでもなんとか海側の方に座ることができ、駅ごとに乗客が減っていったこともあって、海の眺めを楽しむことができた。

    


8.長門市12:23発→仙崎12:26着 普通1625D 仙崎行き
←仙崎
キハ 120
21
 広クチ

 長門市から、ちょこんと伸びた盲腸のような仙崎(せんざき)支線に乗り換える。仙崎支線という呼び方は通称で、正式名称は「山陰本線」。京都から山口県の幡生(はたぶ)まで673.8kmにも及ぶ日本最長の山陰本線もこの支線に乗ってようやく完乗することになった。

 しかしながら、運行される本数は1日6本。本数の少なさもさることながら、運行される列車のほとんどが美祢(みね)線からの乗り入れとなるので、いっそ美祢線を仙崎〜厚狭とでも直した方が良さそうな気もするが、利用者の多い路線ならいざしらず、きっとこのままにされるのだろう。この1625Dも美祢線からやってきたキハ120系の単行列車がそのまま乗り入れる形となった。

本線部分として、日本最長。支線を含めた場合は東海道本線が日本最長となる。

    


9.仙崎12:33発→長門市12:37着 普通1622D 厚狭行き
←長門市
キハ 120
21
 広クチ

 長門市から3分ほどで到着した仙崎は無人駅となっているものの駅舎は木造で雰囲気もよく、駅舎を出てみるとかわいらしい丸形のポストも残っており、これがまた木造の古い駅舎によく似合っていた。
 駅前広場も綺麗でもっとよく見ておきたいところだったが、折り返し同じ列車に乗らないと次は16時までないので、後ろ髪を引かれる思いで仙崎をあとにした。

    


10.長門市13:13発→厚狭14:18着 普通730D 厚狭行き
←厚狭
キハ 120
21
 広クチ

 仙崎から乗った1622Dは列車番号が長門市からは730Dに変わるが、方向幕は仙崎の時点ですでに厚狭となっており、長門市でもこのまま厚狭行きとなるように案内されていた。もちろん「長門市で約40分ほど停車します。発車は13時13分です」の案内もあったのだが。

 そんなに長門市で停まるなら、そのうちの20分くらいは仙崎に回してくれよとも言いたくもなるが、長門市で上りの12時41分発益田行きに接続するためには12時37分には長門市には着いてないといけないので、仕方ないのだろう。

 発車までまだ30分以上あるので駅から出てみたが、駅前にはちょっとしたコンビニとステーションホテルがある他はこれといって何もなかった。仕方なく駅に戻ると、窓口で「さよなら特急いそかぜ」のオレンジカードが売られていたので迷わず購入。2枚セットの販売だったが、専用の台紙が付いてくる上に長門市駅の駅名の入った「いそかぜ」の記念乗車証まで付けてくれた。単に余っていただけなのかもしれないが、ちゃんと去年「いそかぜ」にはさよなら乗車をしたので、ありがたく頂くことにした。
 乗車証の裏には、『特急「いそかぜ」のあゆみ』として昭和39年3月20日に「いそかぜ」の前身となる「まつかぜ」が博多まで延長されてから、平成17年2月28日に運転廃止されるまでの主な経歴が書かれてあり、大変貴重なものだった。

    

 そして13時13分、ほぼシートが全部埋まるくらいの乗車率で発車。美祢線は全体的に山がちなところを走るが、陰陽連絡線のなかではもっとも西側を走る美祢線はそれほどダイナミックなところを走るというわけでもなく、見所に欠ける。

 しかしながら、美祢駅の駅前の小さなバスの営業所なんかは鉄道模型のワンシーンを思わせるし、南大嶺(みなみおおみね)付近では平成9年に廃止になった大嶺支線が出ていたとおぼしき廃線が線路こそ撤去されているものの信号や踏切の名称が書かれた板などがそのまま放置してあったりして、いかにもローカルな鄙びた感じがし、それなりに楽しむことができた。それよりも何よりも、すっかり晴れてきた春の日差しが差し込んできて、とても気持ちがよい。こんな車内で寝てしまえば気持ちよいだろうが、例え車窓に不満があっても寝てしまっては何のために乗りつぶしに来ているのか分からなくなるので、頑張ってあさ(厚狭)まで起きていた。なんだか徹夜明けしたみたいでやはりつらかった。

 もうこのネタもいい加減やめようと思う。

    


11.厚狭14:35発→小野田14:42着 普通3550M 新山口行き
←小野田
クモハ105
−26
クモハ105
−16
クハ 104
−16
 広セキ

 美祢線もなんとか完乗を納め、次は小野田線へと向かう。まずは厚狭からとなりの小野田線の起点となる小野田駅まで一駅移動。新山口行きの3350Mは105系のU編成(2両)にI編成(1両)をくっつけた3両の編成でやってきた。3両ということで車掌も乗務していたが、ワンマン化されて乗務員室が半ば開放されたような感じの105系での乗務はなんとなくやりづらそうだった。

    


12.小野田14:46発→居能15:10着 普通1236M 宇部新川行き
←居能
クモハ123
−2
 広セキ

 小野田駅で待っていたのは、たった1両きりのクモハ123系。スタイルも前面もなんとなく変というか愛嬌のある形をしているが、もともとはクモニ143系と言って、荷物を運ぶ電車だったのが昭和61年頃に電車で荷物を運ぶというスタイルが廃止になったため人を乗せるように昭和62年に改造されたものだ。
 このクモハ123−2は窓の上の方がビルの排煙窓のように内側へと開くもので、もうなにからなにまで珍しい。路線も、厚東川(ことうがわ)にかかる厚東川橋梁は15キロの制限があって頼んでもいないのにゆっくりと走ってくれて、面白かった。



    


 小野田線(本線)を完乗し、宇部線との合流駅である居能(いのう)駅で下車。無人駅だったが、自動券売機があったので記念に入場券を買った。出てきたきっぷはよくある自動券売機のものだが、紙製で裏面も白く、自動改札などはまったく眼中にない代物だった。

    


13.居能15:19発→宇部15:26着 普通1439M 宇部行き
←宇部
クハ 104
−13
クモハ105
−13
 広セキ

 居能から宇部線で宇部へと向かい、ひとまず宇部線のうち居能〜宇部間を埋める。宇部線も厚東川を渡るがこちらは減速することもなく、そのままのスピードで渡っていった。

    


14.宇部15:51発→新山口16:14着 普通3376M 岡山行き
←新山口
クハ 115
−2110
モハ 115
−2009
モハ 114
−2009
クハ 115
−2006
 広ヒロ

 宇部から宇部線の(宇部からみて)反対側にあたる新山口まで山陽本線で向かう。やってきたのは、リニューアルされた115系の2000番代。車内はそれなりの乗車率だったが、転換クロスをボックスにしたところの通路側が空いていたのでそこに座ることにした。新山口までは20分程度。もう何度も乗ったことのある区間なので、寝過ごさない程度にちょっとだけ目を瞑ることにしよう。

    


15.新山口16:25発→宇部新川17:15着 普通1853M 宇部行き
←宇部新川
クハ 104
−9
クモハ105
−9
 広セキ

 新山口から乗車した105系は車内がとても綺麗だった。どうやらこのU1編成は一昨年30年延命工事を受けたものらしい。車端部のドアには、ワンマン運転時に2両目の車内の通路まで見渡せるように大きなガラスがはめられていたり、内装もすべて新車のようで、これならあと30年は大丈夫だろう。

 それにしても、宇部線は海側を走るわりにはあんまり海が見えてこない。家や田んぼばかりの退屈なところを走り、日差しは相変わらず柔らかく眠くなってくる。ようやく常磐(ときわ)駅のあたりで瀬戸内海を目にすることができた。そして、次の草江(くさえ)駅では駅前に不似合いな建物を発見した。

 その建物には、「山口宇部空港」と書かれている。宇部空港って…こんなところにあったんだ…。それが正直な感想だった。

 そして4駅、かつて九州の久留米からでも行先案内板や415系の方向幕に見ることのできた宇部新川(うべしんかわ)駅へと到着した。

 どんな駅かと楽しみにしていたが、期待に応えてくれる駅舎だった。改札から1番線の間がかなりゆったりしていて、噴水のような物があったり、改札を出てみれば木製のベンチがおかれている待合室があったりと、とてもいい雰囲気の駅だった。

    


16.宇部新川17:49発→雀田18:05着 普通1241M 小野田行き
←雀田
クモハ123
−3
 広セキ

 雰囲気のある駅舎を眺めていると発車時刻が近づいてきたのでホームへを入った。しばらくすると退避線で休んでいたクモハ123−3が入線してきた。
 宇部新川の次の居能で宇部線を完乗。列車はこのまま小野田線へと入る。残る未乗区間の長門本山支線に乗るために、雀田(すずめだ)で下車する。

 雀田は、小野田線(本線)ホームと長門本山支線ホームの間に駅舎があるような作りになっていて面白い。西鉄天神大牟田線と甘木線が分岐する宮の陣駅や、JR四国の高徳線と鳴門線が分岐する池谷(いけのたに)駅のようだ。青い縦書きの駅銘板も懐かしい。

    


17.雀田18:12発→長門本山18:17着 普通1329M 長門本山行き
←長門本山
クモハ123
−6
 広セキ

 雀田に着くと、反対のホームに長門本山行きクモハ123−6が待っていた。小野田線長門本山支線は1日たったの5本。朝方に2本と夕方に3本。そしてこの1329Mが夕方の便の3番目になる。つまり18時になったばかりだというのにもう、長門本山行きはこれが終電だということだ。3年ほど前までは旧型国電のクモハ42型が走っていて有名だったが、今は小野田線本線を同じクモハ123が走っている。ただ、このクモハ123−6は、かつて阪和線の羽衣支線で使われていた経緯などから今日乗ってきたクモハ123−2や123−3に比べるとドアが両開きになっているなど、若干作りが違っていた。

 車内にはすでに3人ほどの乗客があったが、みな同業者というか、同じ周波数の電波を感じることができた(笑

 そんな鉄ばかりを乗せてクモハ123−6はゆっくりと走っていく、途中には浜河内(はまごうち)という駅があるが、誰も乗ってこないし誰も降りない。そして、終点の長門本山に到着した。

 ぷっつりと切れた線路の先には道路が横たわり、その前は海。夕焼けに染まった海が綺麗だった。電車がやって来ても誰も気づかないようなそんな雰囲気さえもしたが、それでも特に不釣り合いな感じはしなかった。強いて言えば、1329Mから降り立ち、そこかしこにとカメラを向ける鉄4人だけが浮いているような感じだった。

    

 運賃表を見ると博多までは2210円となっている。遠くへ来たような感じもするが、そうでもないらしい。あまりに現実離れした感じに安いのか高いのかよくわからなかった。

    


18.長門本山18:37発→雀田18:42着 普通1244M 宇部新川行き
←雀田
クモハ123
−6
 広セキ

 だんだんあたりが暗くなってきた。明るいうちにここにこれて本当に良かった。長門本山からの最終列車に乗車したのはぼくも含めて4人。もちろん4人ともさっきの長門本山行きでやってきた鉄ばかり。どうやらみな18きっぷやゾーン券の利用だったのか、雀田では乗車券のチェックもなかった。
19.雀田18:56発→小野田19:11着 普通1243M 小野田行き
←小野田
クモハ123
−2
 広セキ

 すっかり暗くなった雀田駅にやってきた小野田行き1243Mは、今日2度目の乗車となるクモハ123−2だった。
20.小野田19:14発→下関19:53着 普通3361M 下関行き
←下関
クハ 115
−2012
モハ 114
−2018
モハ 115
−2018
クハ 115
−556
 広セキ

 下関行きとしてやってきた115系は未更新車。長時間乗るわけでもないので、未更新車なほうがありがたい。

    


21.下関20:01発→小倉20:18着 普通5581M 新田原行き
←小倉
クハ 411
−209
モハ 414
−109
モハ 415
−109
クハ 411
−109
 分オイ

 下関から乗車した415系は昔のままのボックスが残るものだった。が、ボックスはすべて埋まっていたので、ドア横の戸袋のところの2人がけのところに腰を下ろした。

    


22.小倉20:36発→博多20:52着 のぞみ41号 博多行き
←博多
521
   −2
526
   −4
527
   −3
528
   −2
525
   −3
526
   −5
527
 −402
518
   −2
515
   −2
516
   −2
527
 −702
528
 −702
525
   −4
526
   −6
527
   −4
522
   −2
 幹ハカ

 ラストランは500系「のぞみ」。日本一速い新幹線で(時刻表の秒を切り捨てたりする計算の仕方によっては)博多〜小倉はわずか15分。しかしながら「のぞみ」は増えたものの500系は平成10年までに製造された9編成しかないので、2時間(4本)に1本くらいの割合となってしまった。廃止されるなんていうことはまだまだ全然考えなくてもよいだろうが、500系もだんだん乗りにくくなってしまったようだ。

    



<16両こだまと山口県支線乗りつぶし・おわり>



ホームページに戻る