FIREエンジンの慣らし



/////慣らし運転は必要か?

最近は「慣らし運転不用論」を述べる方が多いようです。曰く「最近のエンジンは加工精度が高く、組んだばかりのエンジンでも、初めから所期の性能が出るようになっている」。これには反論もあり(残留応力がどうとか???)ますが、私には理解できない世界です(^^;)とりあえず、現在日本仕様のパンダに搭載されている1.1LのFIREエンジンには慣らし運転が必要だろうというのが、私の経験からの意見です。FIREは新車の間、不自然なほどのフリクション感があり、まるっきり回らなかったんですが(最初にディーゼル・エンジンの様と感じた原因の一つでした)、大体1,000km辺りを境に驚くほど「滑らかに回る」エンジンに成長したのですから。

/////Henlik流慣らし運転

なにしろ、パンダを買うまで自分が新車を買うなんて夢にも思っていなかったので、慣らし運転の知識も当然ながらほとんどありませんでした。しかも、パンダにはタコメーターがないので「何kmまでは3,000rpmまでしか回さないようにしよう」、なんてことも出来ません。結局私が心掛けたことはただ「回りたがらなくなるまで回そう」ということでした(^^;)具体的に言うとゆっくりアクセルを踏んで加速していき、回転が少しでも苦しげになったら素早くアクセルを戻し、その手前辺りの回転をずっと保つようにクルージングする、というものです。それでも、エンジンは走れば走るほど調子を上げて行き、それにつれFIREは正にイタリア製のエンジンでしかありえない素晴らしいフィールを提供するようになっていきました。正直言って雑誌の評価などから、あまり期待していなかっただけに思わぬ嬉しいおまけでした(^_^)

/////不思議な症状

さて、納車から現在に至るまでまったく快調そのものの犬キャラ号のエンジンですが、慣らしが終わる頃まで、ある不思議な症状に悩まされていました。アクセルを徐々に開けて行くと、ある時点で急にガクガクと振動が出てフケなくなるというものでした。何回かアクセルを開閉していると再びフケだすので燃料系かとも思いますが、慣らしが終わるころにはほとんど発症しなくなり、現在ではまったく起こらないので原因は不明です。

/////不思議な症状2

不思議な症状と言えばもう一つ、納車当時の「異常なアクセルの重さ」がありました。なんかあの重いと言われるメルセデス(Sクラス)の10倍くらい重かったんですよ(^^;)ところが1,000kmほど走った頃、岡山から鳥取までのドライブ中に寄ったドライブインから出ようとアクセルを踏んだ瞬間、アクセルワイヤーが切れたのかと思うほど軽くなったんです。きっと、どこか引っ掛かっていたんでしょうね。この辺はやっぱり「(設計の)古いイタ車」です(^^;;;

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さて、慣らし運転の甲斐あったのか、現在でもエンジンは快調でむしろまだ成長途上のような感触すらあります。また、この時心掛けた「エンジンと対話しながらのドライビング」はその後にもエンジンの美味しいところを上手く引き出すテクニックと美味しさを感じる感受性を身に付けられたという意味で良かったと思います。