白みそ仕立ての雑煮にあん入りのもちが入っているのが、あんもち雑煮。最近はマスコミにも取り上げられ有名になった。聞いただけで「なにやら不気味な食べ物」という感じがするが、食べてみると、白みそとあんのバランスがよく意外にうまい。香川は讃岐三白(砂糖、塩、綿)で豊かなところだったが、昔は甘いものは高級品。せめて正月ぐらいはということで、あん入りの餅が作られたらしい。 香川の人は昔から競争意識が強く、隣が農機具を買うと、「うちも」と買うところで、あん入り餅も一気に広がっていったのだろう。最初の頃は、本家で大量にあん入り餅を作って分家に配っていたが、最近はそれぞれの家庭で、餅つき器を使ってあん入り餅を作る。そのため、香川ではほとんどの家庭に餅つき器があるようだ。作るのは年末の28日か30日。29日は苦餅といって作らないとのこと。ちなみに、小豆島は、昔「あづきじま」といわれていたし、香川県善通寺市には「あずきあらい」という妖怪の民話がある。