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♪- にっきちょう -♪

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[ 講話集 ]
何気なく新聞の折り込み広告を見ていたら、瀬戸内寂聴の「講話集」の広告があった。
私は、抹香臭い坊さんの話はキライなんだけれど、瀬戸内寂聴は割と好きだ。説教ぽくないし、彼女の前半生を知ると、その言葉の重みが増す。全然押し付けがましくないのがいい。偉そうなことを言う坊さんや、上から押さえつけるような物言いをする教育者、オレは頭いいんだぞと言わんばかりの研究者など、みんな話がつまらない上に、心に全く響いてこない。

以前、NHKで若者を集めて討議させる番組(今の「真剣10代しゃべり場」みたいなやつ)に、彼女が出ていたことがあった。「ふたまたはよくないのか」とか「どうしていじめをするのか」とか「ダイエット」や「整形」について、今の子供たちの心の問題を話し合う番組だった。他の出演者は忘れてしまったけど、みんな子供を見下して「そんなことじゃだめだ」とか「世間に出て行ったときに云々」とかいわゆる「お説教」をするのに、若者は全然反省というか聞く耳をもたないで、けんか腰になる。まあ、当たり前だと思った。その時私は既に大人だったけど、私でもけんかしただろうな。
しかし、そうすると大人はもっと押さえつけようとして結局大人もけんか腰になるという悪循環で、この番組は失敗じゃないのかしらと思っていたら、瀬戸内寂聴がニコニコしながらうなづいて話を聞いていて、「好きになっちゃったらしょうがないよ」「そうだよね、いじめないと自分がいじめられちゃうもんね」「ダイエットして、整形してきれいになりたいよね」と受け入れる。そうるすと子供たちは「あれっ」という顔する。一瞬ひるむ。そこへ「でも、本当はどう思っているの?」と聞くと意外に素直な答えが返ってくるのだった。
私はこの子たちよりは大人なので、これは「北風と太陽」作戦だなと分かるのだけど、それでも子供たちが素直に答える気持ちもよく分かるのだった。寂聴にはそういう力がある。彼女の話はおばさんやおばあさんが有難がって聞くが、本当は前途ある若者が聞くべきなのではと思っている。

なんにしろ、いまだにその広告が捨てられないのは、心が弱っている証拠だ。
2003/11/26(すいようび) はれ


[ オレオレ詐欺 ]
下火になったとは言え、まだまだニュースで取り上げられていることも多い。先日のニュースでは、被害総額は2億円にものぼるとか。
よく考えてみると、うちのダンナも父も電話してくる時は「あ、オレだけど」って言ってる。男の人は皆、自分の名前を言うのがイヤなのか?あ、でもうちの弟は名前を言うぞ。

オレオレ詐欺というと、思い出す話がある。祖父のことだ。
私の父方の祖父は、数々の伝説の持ち主で、それを全部書こうと思ったら膨大な枚数になることは間違いない。いい話もいっぱいあるが、悪い話はもっとある。その筆頭が女癖。とにかく女癖が悪く、祖母はずいぶん泣かされたらしい。

祖母は明治の女であるから、祖父の振る舞いに耐えていた。いつも黙って夫の後をついて歩くような人だった。しかし、根は九州の女だ。しかも当時の女性としては珍しく大学まで出ている。いつまでもおとなしくしているはずがなかった。

あるとき、またぞろ祖父は外泊をした。もちろん女連れである。伊豆か箱根の温泉あたりで、よろしくやっているに違いない。何日も連絡もせずに帰ってこない。どこで何をしているのやら。いや、おおよその見当はつく。祖母の怒りは心頭に達した。いくら敬虔なクリスチャンとはいえ、我慢の限界がある。汝の隣人を愛せよ、右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ、ふん、そんなものくそくらえ、と祖母が思ったかどうかはわからないが、とにかく一矢報いなければ腹の虫がおさまらない。

何日か経ってやっと祖父から電話が入った。
「あぁ。オレだ」
「は?」
「オレだよ、オレ」
「・・・うちにはオレという人はおりません。あしからず」ガチャ
勝手に電話を切られて唖然とする祖父。もう一度かける。
「おい、勝手に切るとはなにごとだ」
「どちらさまでしょうか」
「だからオレだよ」
「どちらのオレ様で?」
「いいかげんにしないか!」
「はい、そうします」ガチャ
その時の祖父の慌てぶりを想像するとおかしい。今まで口ごたえひとつしなかった妻が言い返したのだ。さすがにまずいと思って急いで帰ってきたに違いない。

おそらく戦後、いくらか日本に活気が出てきた頃のことだろう。今は祖父も祖母も亡くなって、本人から詳しい話が聞けないのがとても残念である。
もっとも、それ以後も祖父の女癖は治ることはなかった。やれやれ。
2003/11/22(どようび) はれ


[ さつまいも〈その後〉 ]
さつまいものポタージュを作ってみた。うまかった。

予想していたよりも甘くなく、ジャガイモのポタージュよりもあっさりしていていける。いいぞ、これは。おすすめ。って誰にすすめてるのか。レシピをネットで検索して、いくつかピックアップしてみると、おおむね同じ作り方なので、じぶんなりにアレンジして(というか手抜きをして)作ってみた。

材料(4人分)
さつまいも  中か大1本
たまねぎ   1/2個
固形ブイヨン 1個
バター    大さじ1
牛乳     1カップ
水      600cc

@ さつまいもは皮をむき、1センチ幅くらいに切って水にさらしておく。たまねぎはうすぎり。
A フライパンを熱してバターをいれ、薄切りにしたたまねぎを透明になるまでいためる。
B 水を切ったさつまいもを加えて、しばらくいためてバターがまわったところで、水とブイヨンを投入。
C 沸騰したら弱火にして、あくを取りながら、さつまいもがやわらかくなるまで(12〜15分)煮る。
D 煮えたら少しさまして粗熱を取ってからミキサーにかける。(20秒くらい?)
E ナベに戻して牛乳を加えて、温める。塩胡椒で味を調える。

レシピによって、たまねぎのほかにセロリも入れたりするのがあったが、そのためにセロリを買うのは面倒なので、ないバージョンでやってみた。でもおいしい。

でんぷん質の野菜のスープは勝手にとろみがでるから楽だ。そうでない野菜(にんじんとかほうれんそうとか)の場合、簡単にとろみをつけるために「ごはん」を入れる場合があるのだけど、これがだめ。何回かやったけど、まずい。レシピどおりに自分で作ってこんなにまずいものができるのかと思わずうっとりするくらいまずい。あれはやっぱり手を抜かずに小麦粉とかをいためて作るべきなんだろうな。根本がまちがっている味がするもの。

しかし、さつまいもポタージュは、簡単なわりにびっくりするくらいおいしい。色がちょっとモスグリーンになるので見た目ではわからないし、飲んでみても言われないとさつまいもってわからないんだけど、おいしい。
うちのダンナは全然わからなかった。まあ、もともと舌が雑な人だけども。
2003/11/20(もくようび) あめ


[ 『誰か』宮部みゆき著 ★★☆☆☆ ]
久しぶりの書き下ろし。期待して、発売日に書店へ直行して即買いしたのだけど、いまいちでした。
良く出来た話だし、個々のエピソードも悪くない。でも、伏線がバレバレなのと、最後にどんでんがえしもなく(あったけど、先にわかってしまった)、えっ、それだけ?って感じだった。まあ、代表作にはならないだろうな。残念。

私は、ミステリー小説が好きなのだけど、最近読んだミステリーで、途中で犯人がわかっちゃったのがあって、それも悔しかった。私は、読みながらあまり謎解きをしない。まあ、頭が悪いっていうのもあるけど、細部にこだわって読んでいると、作品として楽しめないので、明らかに「読者に挑戦」みたいなの以外は、インプットを重視してアウトプットしないようにセーブしながら読む。つまり、自分の思考はあまり働かせないようにしている。そんな状態で犯人がわかっちゃうのは、かなり低レベルなミステリーなのだ。

けっこうちゃんとした作家だったのになぁ。実は、他の著作が書評でほめられていたので読みたかったのだけど、単行本だったため諦め(高価だから)、同じ作家の文庫を買ってみたのだ。
こういう、作品によってムラのある作家はあまり信用できない。最近人気のある東野圭吾などはけっこうその気がある。面白いのはすごく面白いんだけど、失敗作というか駄作も多い。

例えば、赤川次郎なんかはもう20年くらい読んでないけど、初期の作品はとても安心して読めた。途中で、トリックが雑になり、人物描写が雑になり、どうしようもなくなってきたので、読むのをやめた。彼なんかは、明らかにつまんなくなってきたから、読むのをやめればすむが、駄作の中にいくつかきらっと光る作品がある作家というのは、こちらの審美眼が試されているようで恐い。失敗すると「負けた・・・」と思う。少ない小遣いでやりくりして買っているので、失敗するとダメージが大きい。なるべくジャブ程度で済むようにと思うのだけど、けっこうカウンターパンチを食らう。パンチドランカーにならないようにせねば。
2003/11/19(すいようび) くもり


[ ]
うちの会社には、《弧琉球叢書》という沖縄関係の民俗学の本のシリーズがある。はっきり言って、売れない。あまりに専門的なので、個人で買う人はほとんどいない。大学の図書館とかそういうところが買うかな。狭い分野なので、買う人はみんな著者と知り合いなのかも。

今回は1000ページ以上のボリュームで、菊判・函入りというものすごい本になった。こうなると、もう本じゃないな。外側だけ見たら桐箱入りの皇室御用達の金箔羊羹(そんなものがあるのかどうか知らないけど)でも入っているんじゃないかって感じだもの。定価も15000円とふるっている。

どう考えても赤字。でも、民俗学の好きな社長は、沖縄の本というだけで(もちろん著者と知り合いなわけだけど)、出版してしまうのだ。道楽だよなぁ。

そんで、その本に索引がついている。すごいのは「ん」まであること。「ンカイビー」とか「ンツグナ」とか。もちろん方言なわけだけど、「ん」だよ。
私も索引は数々手がけてきたが、「ん」はないもんね〜。沖縄、あなどれない。
2003/11/13(もくようび) はれ


[ さつまいも ]
保育園で芋掘り大会(?)があった。
毎年のことだが、これは年中さんと年長さんだけの参加なので、まだわが家では、息子も娘も参加したことはない。
しかし、お土産だけはもらえるので、当日は、名前を書いたビニール袋を持参する。
前日に、ビニールを用意してくださいと言われた時にも嫌な予感はしたのだが、当日、その予感は的中した。
子供が二人いれば、お土産は2袋なのだ。一袋に5〜6本のさつまいもが入っている。倍で10本。10本のさつまいもを四人家族で平らげるのはかなり大変だ。私にさつまいも料理のレパートリーがないせいもあるけど。

とりあえず、スィートポテトを作る。これは息子も好きでよく食べるので毎年作っている。中くらいの2本で8個くらい出来る。本当は裏ごしするとなめらかになって、お菓子っぽくなっていいのだけど、面倒くさいので、ただつぶすだけ。でもバターと卵黄と生クリームが入っているので、けっこうコクがあっておいしい。

あとはリンゴと一緒にレモンで煮る。これもおやつ感覚。リンゴとレモンの酸味がいける。レーズンがあれば入れてもGOOD。

イモ天ぷらは、息子が好きじゃないので、作らない。簡単でいいんだけど。子供の頃、イモ天ぷらはおやつがわりに食べたし、さつまいもを輪切りにしてバターソテーして食べたりした。あと、干しイモとか干し柿とかも冬になるとよく食べた。トラックで売りにくる石焼いもは結構値段が高いので食べたことなかった。なんだか、戦後の食糧難の時代みたいだなぁ。今は、おいしいお菓子がいっぱいあるから、こういう食べ物には子供は見向きもしない。

大学イモは、揚げたりして手間がかかるわりにおいしいのができないので、うちではしない。似た食べ物に中華ポテトというのがあって、揚げたさつまいもを、砂糖を溶かしたものにくぐらせて氷水に入れる。するとなかはホクホク外はカリカリのおいしいお菓子ができるのだけど、これも手順が面倒くさすぎる。友達は作ってみたと言っていたが、私にはとてもできない。

シチューに入れるという人もいるけど、私はやったことない。ポタージュはどうだろう。おいしいかもしれないなぁ。甘すぎるかなぁ。まだ余ってるから作ってみようか。

ともかく、サツマイモのお土産は一家庭に一袋にしてもらいたい。それと、保育園で「おイモ食べた?」とか聞かないでほしい。誰ちゃんは焼きイモにしただの誰君はまだ食べてないだのとうるさいし、うちで作らないと文句を言われるので。
2003/11/12(すいようび) はれ


[ 『老人のための残酷童話』倉橋由美子著 ★★★☆☆ ]
これは以前にでた『大人のための残酷童話』の続編みたいなもの。二匹目のドジョウは所詮二匹目。最初のほうがインパクトはあったなぁ。でも読み物としては精度が高いし、面白い。
欲を言えば、『大人の〜』のように、実際にある童話のパロディをもっと書いて欲しかった。今回はオリジナルが多く、それはそれで面白いけど、物足りない。
前の本には、お話の最後に「教訓」が載っていたけど、今回はそれもなかったのが残念。まあ、老人にいまさら教訓は必要ないか。

2003/11/11(かようび) あめ


[ 選挙 ]
新世紀最初の国政選挙だ!とかいう気負いは全然なく、さりとて行かない理由もないので、とりあえず行った。
ここんとこ私の地域は選挙が続いている。県知事選、補欠選、そして総選挙。月イチペースか。
ダンナが仕事だったりするので、私が子供を二人連れて投票に行く。もう、面倒くさくて本当に行きたくない。前にも書いたけど、是非、移動投票所を設けて欲しい。今は、コンピューターの端末で管理しているのだから、そんなの簡単に出来るんじゃないですか?

まあ、そんなこんなで、午後からお天気も悪くなるようだし、娘は風邪引いてるしで、イヤになる前に出かけた。息子に「選挙に行くよ」というと、馴れたもので「せんきょ?りょうもいかなくちゃ!」。「せんきょって人をえらぶんでしょう?」などといっちょまえなことをいう。「そうよ」「えらんでどうするの?」「……」
深いなぁ。
選んでどうするんだろうねぇ。
「りょうもえらびたい!」
残念ながら君には投票権はないんだよ。

昔は、選挙に行くと風船とかくれたけど、最近は何もくれないなぁ。ガムとか風船とかえんぴつとかくれるといいのになぁ。

選挙速報とかも見たけど、開票率1%とかで当確が出るのはどうなんだろう。どの局も大して変わり映えしない内容だし、もうNHK一本でもいいんじゃないの?当選が早くわかったからってどうなるもんでもないし。
あと、出口調査とかっていっぺんもされたことないけど、あれって、どのへんでやってるわけ?全国でやってるんでしょう?だから開票してすぐに当確とか出るわけでしょう?
その仕組みもよくわからない。ああ、やっぱり私ってバカなんでしょうか?
2003/11/09(にちようび) あめ

My Diary Version 1.21
[ 管理者:くくみ 著作:じゃわ 画像:牛飼い ]