概要-overview
1950年に発売され、簡素で合理的な設計により脅威の低価格を実現、社会現象になるほどの大ブームを引き起こしたと言われる国産二眼レフの先駆けリコーフレックスIII型(それ以前は戦前の製品で全く別のプロダクト)。そのVII型は板金ボディ、上下レンズのギア駆動方式、トリプレットのレンズはそのままだが、アイレベルでフレーミングするためのコンツールタイプをファインダーカバーに装備。
精工舎のシャッターを付けたこのモデルはVIIの高級モデルで、シャッター速度の幅が大きく実用性が非常に高い。ちなみにスタンダードのリケンシャッターは1/100までで、値段も半分程度だった。
印象-impression
Dai-chang初めての2眼レフ。ウェストレベルファインダーは、また構図の感じが変わってきて楽しい。
高級なシャッターが装備されたモデルとはいえ、基本は合理主義の固まりのリコーフレックスそのものなので、笑ってしまうほどシンプル。結局のところ、鉄板で作った箱にシャッター付きレンズを括り付けているだけで、シャッターチャージとリリースは同じレバーだし、上下のレンズ駆動は見ての通り剥き出しのギアで連動しているだけ、アイレベルのコンツールタイプとか言ってるけど、実はファインダーカバーにスリットを入れているだけ。もちろん、セルフコッキングなんてないので、多重露出やシャッター切らずに巻いてしまうなんて日常茶飯事。
オートのカメラに慣れていると、戸惑うことばかりだけれど、逆に慣れれば何の問題もなく、この50年間のカメラの進化の中で、本当に必要だったのは露出計内蔵くらいだったのではないか、、、などと思ってしまう。レンズもとてもよく写るので驚くよ。
Dai-chang的には暗いファインダーでピント合わせに時間がかかるのが(それでも外していたりする。被写界深度が浅いのと、もしかしたらピント調整が甘いかも)問題かな。でも、ウェストレベルは被写体に与えるプレッシャーが小さいので問題になりにくいね。
シャッター音も、上品さは無いけれどレンズシャッターらしい静かさなので、意外にスナップもイケるよ。ペラペラの板金ボディは二眼の割には軽いし。
評価-evaluation
○ … 何も付いていないので逆に安定感がある。良く写るリコーレンズ。
× … ミスを防ぐ機構が一切無い。絞り操作レバーが軽すぎてすぐ動く。
お勧め度(満点★10個)
★★★★★★
日本の名機の一つ。実用性も今だあるし、体験しておくのも悪くないよ。安いし壊れにくい。でも、シーガルの安いヤツがいいかな?ということで★六つ。
お気に入り度(満点★10個)
★★★★★★★★
ウェストレベルファインダー、好きなんですよ。 |