Leitz Leica IIIc

仕様他

製造年1940〜51年

型式 35mmフォーカルプレーンカメラ  

レンズ マウント
ライカスクリューマウント (L39)

ピント方式
マニュアル、2重像合致式 

ファインダー
逆ガリレオ式。構図・距離計別

シャッター
布幕横走りフォーカルプレーン

シャッター 速度
1,2,4,8,20,40,60,100,200,500,1000 

フィルム送り
ノブ式、1回転 

大きさ・重量 136×66×30mm 550g 

概要-overview

 説明するまでもなく、いわゆる「バルナック・ライカ」、欧米では「スクリューマウント・ライカ」として知られている35mmフィルムを使う小型カメラの元祖。IIIcは第二次世界大戦を挟んで生産されていたダイキャストボディの距離計付き、スローシャッター有りのモデル。詳しくは各自調べて下さい。いくらでも情報がありますから(こればっかり)。
 Dai-changの個体は戦後型(48年か49年に生産)で外装はシャークスキン(縦シボ、ビニール製)。戦後直後のライカはメッキが悪いので全体に安いが、シャークスキンだと何故か更に安い。だからといって不都合は無いので実用派には嬉しいモデル。

印象-impression

 基本的にはFED2やベッサTを使っている自分は自然に使えるカメラ。「バルナックの儀式」とも言われるフィルム装填も、あらかじめフィルムをハサミで切っておけば何のことはない(切り方は底に書いてある)。出かける前には忘れずに。ただ、ちゃんと装填されているのに空回ってることがある。巻き取りノブの動きはちゃんと確認すること。

 FEDやZorkiとの違いは、何と言っても圧倒的な操作の精緻さと滑らかさ。レンズをねじ込む時、巻き上げ・巻き取りノブを回す時、道具の価値とは関係ないとはいえ、ちょっと感動してしまうのは否めなかったりする。全くもって、半世紀経った機械とは思えない。

 ベッサに対してのアドバンテージは何と言ってもシャッター音の静かさとまろやかさ。町中でシャッターを切った時の周りの反応がまるで違う。もちろん、FED2と比較してもかなり静か。とは言っても良くできたレンズシャッター機の様な囁くような音ではないし、時々バシッと叩くような音がする。調整が必要なのかも知れない。ただし精度はポジでテストしたところ、全く問題なかった。

 2眼式ファインダーのメリットはベッサTのページで書いたとおりで、スナッパーにはむしろメリットが多いと思う。ただし、一瞬のシャッターチャンスに構えたら距離計窓だった、ということはあるけれど(笑)。

 その距離計、二重像が薄くやや見にくいけれど、精度は素晴らしい。もうビシバシとピンが合うので嬉しくなってしまいます。ビューファインダーは明るくクリアだけど倍率が低く見やすいとは言えない。いずれにしろ、スナッパーは長い時間ファインダーを覗いたりしないから、あまり気にならないけどね。

 スナップに限定するならば、今もって充分に説得力のあるカメラだと思う。個人的にはギラギラと目立つメッキより黒いペイントの方が好きなので、将来的には塗ってみたいと思う(どうせ質が悪くて一部が禿げてるし)。

注)僕は他のバルナック・ライカを触ったことはなく、所有の個体だけのインプレッションなので、本来の状態ではない可能性が高いことをお断りしておきます。

評価-evaluation

○ … 完璧なパッケージ。圧倒的なフィーリングの良さ。

× … やけに狭いコマ間。ライカであること(笑)。

お勧め度(満点★10個)
★★★★★★★

何も言うことなし。一生モノ。
あなたがストリートフォトグラファーであるならば10点です。

お気に入り度(満点★10個)
★★★★★★★★

悔しいけど、良いものは良いんですねぇ…。
もう少し整備の必要がありそうなのと、黒塗りの方がいいので少し減点。

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